市立図書館とホットサンド
市立図書館のハムチーズホットサンドが恋しい。
トゥルクの市立図書館にはカフェ併設されている。
入り口は二つあるのだが、私はいつも、
新聞コーナーの付近の入り口を通って店内に入った。
縦長の店内からは中庭が見えるようになっていて
時々、演奏している人がいた。
四人がけのテーブルがほとんどで、
一人で座るのにはもったいない気がしたのだが、
店内は空いていることがほとんどだったので、そんな気持ちもいつの間にか無くなっていた。
空腹を我慢できるところまで図書館で時間を潰した後、
そのカフェに行くのが好きだった。
決まって、ハムチーズホットサンドを注文した。
材料は食パン、ハム、チーズのみ。
焼きあとの縦線9本がくっきり残っていた。
斜めにスライスしたホットサンドを
正方形のまま、白色の丸皿に乗せて運んできてくれた。
角ははみ出そうではみ出ない。
ナプキンは必ず、鮮やかな黄緑色だった。
どこか懐かしい味だった。
食べ終わるころには お腹も心もいっぱいで、
一つで十分だった。
フィンランドでは、たくさんの美味しいものを食べたけど、
それでも私は、市立図書館のハムチーズホットサンドが恋しい。
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